
私は透明水彩をはじめたばかりの頃、『透明水彩は水の含みのよい動物毛がいい』という言葉に縛られ続け、いつも動物毛100%の筆で練習していました。
けど、動物毛はすぐに穂先が乱れてしまい正直描きにくい。
一方のナイロン製の筆は弾力があり、復元性もよくとても描きやすくて好きでした。ただ水の含みが悪いのが気になるところ。
ナイロン製のように強いコシと復元性があり、さらに動物毛のように水をよく含む筆があったら便利なのにと思いネットで検索してみたところ『リセーブル筆』と言うものを発見しました!
リセーブル筆は天然の動物毛と化学繊維を混合して作られた、動物毛とナイロン毛の良いとこ取りな筆なんです。
動物毛の様に水の含みがよく、またナイロン毛の様にコシがあるので復元性に優れていることから、リセーブル筆は初心者にとっても扱いやすい筆なんです。
今回は動物毛100%の筆とリセーブル筆の違い、そして高級なコリンスキー筆をそれぞれ比較しながら、リセーブル筆の良さと特徴をご紹介します。

リセーブル筆の特徴

- 水の含みが良い
- コシが強い
- 復元性が高い

例えば、馬毛や豚毛などは大変水の含みが良いですが、その一方で一度紙に筆を当てると穂がペチャっと潰れてしまい元のカタチに復元してくれません。
つまり、リズムよく筆を走らせることが難しいんです。
もし動物毛の筆が扱いにくいと感じている方は、リセーブル筆を使ってみるとその扱いやすさに感動すると思います。
定期的に個展を開いているプロの方も、リセーブル筆を愛用している方が意外と多いので、プロアマ問わず人気の筆です。
水彩初心者さんにはリセーブル筆がおすすめな理由
リセーブル筆は動物毛の様に水の含みがいい上に、穂先の復元性も高いので初心者さんにも扱いやすい筆なんです。
また筆は消耗品なのでリセーブル筆のように価格が安い筆の方が水彩画をのびのびと描くことができます。
高級な筆を買っても、傷まない様に大切に使っては大胆な絵が描けません。
水彩初心者さんはまず、安価でありながらも動物毛のように含みがよくコリンスキー筆のように復元性が高いリセーブル筆が1番おすすめです!
リセーブル筆と動物毛の比較

リセーブル筆は穂先がすぐに復元する

とても弾力があるので、穂先が紙から離れるときも、しっかりと元の形に戻ってくれるので、大変使いやすいです。
一方の馬毛は復元しない

その都度パレットで形を整え直す必要もあり、リズムよく筆を走らせるのは初心者には難しいです。
確かに水の含みは大変良いですが、穂先の乱れを気にするあまり大胆に描けず、また初心者には扱いにくい印象があります。
紙から離した直後の筆を比較

どちらが良い、悪いではなく、その時の用途で使い分けると良いと思います。
- 下地作り…水を多く使う時は柔らかくて水の含みが良いリス毛を使用
- 丁寧に描き込む時…リズムよく筆を走らせることができるリセーブル筆
- 細部…繊細な表現ができるコリンスキー筆
筆の特徴を理解することて表現の幅も広がり、より一層水彩画を楽しむことができます。
動物毛でもコリンスキーは復元性が高いのが特徴

多くのプロの方が使用しており、透明水彩で絵を描いている方にとっては憧れの筆ではないでしょうか。
コリンスキーは値段が高くて初心者には敷居が高い
イタチの毛は大変希少なため、一般的な6号サイズの筆でも6000円ほどします。
高級なコリンスキー筆は初心者には中々手が出しづらいですよね。
そんな時に出会ったのが、まるでコリンスキー筆のような書き心地のリセーブル筆でした!
初心者におすすめのリセーブル筆はこれ!

コリンスキーがブレンドされたリセーブル筆!
コリンスキー100%の筆は高くて購入できませんが、コリンスキーがブレンドされた筆なら安価で手に入れることができます。
コリンスキーのようなコシ、水の含みの良さ、復元性の良さなど、天然のセーブル毛に近い描き心地なので、リセーブル筆は初心者はもちろんプロの方にも人気があります。
ホルベインのパラリセーブル 350Rは安いのに優秀!

黒の軸に金色の文字がとてもカッコいいです!
モチベーションを高める為にもオシャレな見た目も重要なポイントです。
復元性が高いのでリズムよく描ける

ストレスなく、自由に、思いのまま筆を走らせることができます。
水の含みも程よいのでとても描きやすい

ですが、このパラリセーブル350Rは水の含みも本当に丁度良くてとても描きやすく、個人的に大変気に気に入りました!

自分にとって使いやすい筆で練習すると、水彩もより効率よく上達していけます。
描き心地はどちらかと言うとナイロン製の筆に似ている
コリンスキーが混合されているので、多少柔らかさもあると思いますが、穂先はやや硬い印象です。
因みに、【Amazonの商品説明欄】には『天然のセーブル毛に一番近い質の筆です』と書かれてます。
感じ方は人それぞれ違うと思いますが、個人的にはナイロンぽさが強い気がしました。
なので柔らかいタッチは苦手な筆だと思います。
柔らかい穂先のホルベイン・ブラックリセーブル

良質のリス毛に、絵具の含みを良くするために1本1本特殊処理されたリセーブル毛をブレンド。
広い面も細部もこれ1本ですべて描くことができる優れものです!

こちらの【ホルベインブラックリセーブルSQ水彩筆を買ったので細かくレビューします】と言う記事で詳しくレビューしているので、チェックしてみてください。
W&Nのコリンスキーセーブル series7


動物の毛だけあって穂先のまとまりも良く、水の含みもほどよく良いので細部の描写に大変役立ちます。

細部も丁寧に描けるので本当に買って良かったなと思います。
初めてのコリンスキー筆はこういう1号や2号など比較的安い筆から試してみるのもおすすめです。
筆選びのポイント!

透明水彩はざらついた紙に描くので筆の傷みは避けられません。
高級な筆だと頻繁に買い替えるのが大変なので、リセーブルなどの安価な筆で充分です。
しかし、細部を描く小筆はコリンスキーなどの高級な筆がおすすめです。
出番はあまり少ないものの、繊細な作業をする小筆はコリンスキーなどの高級な筆がいいと、水彩作家の永山裕子先生が『水彩入門 透明感を生かして描く』と言う本でおっしゃっていました。
なので私は現在3種類の筆を使い分けています。
この筆の使い分けが自分にとってすごくマッチしていて描きやすいです。
安い筆だとのびのびと絵が描ける!
実際に使ってみて思ったのが、

という事でした。
本当は思い切って6号のコリンスキーセーブルを購入しようと思っていたんです。
けど、買わなくて良かったー。
もし高級なコリンスキーセーブルを買っていたら、のびのびと大胆に描けず絵が小さくまとまってしまっていたと思います。
しかも高級だから傷まないようにやさしく描かないと…、とそればかりに意識が行ってしまい、楽しく自由にそして大胆に絵の具を紙に載せることができなかったと思います。
一番メインに使う筆は安いので十分だなと思いました。
そうは言うものの、いつかは欲しい4号のコリンスキー筆
今は初心者なので安い筆で沢山描いて慣れてきたら、ラファエルのコリンスキー4号が欲しいと思っています。
高いけど!

私の憧れの水彩作家さん【永山裕子】先生が普段から愛用している筆もコリンスキーセーブルだからです。
少しでも先生に近づきたくて同じものが欲しくなってしまいます。
たとえ同じ絵具、同じ筆を使っても先生のような水彩画は描けないのは分かっているのですが、憧れの方とおなじ物で絵を描けることは私にとってのモチベーションの維持にも繋がりますし、喜びでもあります。
1年後、もしくは2年後、まだ透明水彩をやっていたら自分へのご褒美に購入しようと思います。
透明水彩をはじめてかれこれ2年が経ちましたが、この度ラファエルのコリンスキーセーブル4号を手に入れました!ようやく買えました!!後日使用感などをレビューします^^