今回のイラストメイキングは【コピック】をメインに【アクリルガッシュ】や【色鉛筆】【透明水彩絵具】などを併用して仕上げました。
コピックのイラストだから全部コピックで仕上げなければいけない、なんてことは無くて、様々な画材とMIXして使うことで表現の幅も広がります。
わたしは当初、コピックだけでイラストを描けるようになるのが目標でした。
しかし、どうもグラデーションや髪の毛のハイライトをコピックだけで表現するのが苦手なようで、思うように絵が描けませんでした。
たくさん練習しても上達しなかったのだから他のやり方でやるしかない…と思って始めたのが不透明水彩絵具(アクリルガッシュ)との併用でした。
このアクリルガッシュに出会ってから、コピックで絵を描くのが楽しくなりました。
引き算でイラストを描くのが苦手な方や、コピックでもデジタルのように足し算の塗り方がしたいと思っている方にとって、少しでも参考になるところがあったら嬉しいです。
コピックイラスト完成品

ほとんどがコピックで着彩していますが、髪の毛のハイライト、目のハイライト、缶の文字や光などはアクリル絵の具を使用しています。
頬の赤味に水彩色鉛筆も使っています。
背景の下塗りには透明水彩絵具を使用しました。
使用画材の紹介
・コピック
・透明水彩
・アクリルガッシュ
【ホルベイン】アイスグリーン、【ターナー】ホワイト、【ターナー】パステルピンク
・水彩色鉛筆&色鉛筆
・ヴィフアール水彩紙
・コピックマルチライナー(コバルト)
・トレース台(Etpark トレース台 LED A4サイズ)
動画でメイキングを公開中
YouTubeにイラストメイキング動画をアップしています。
こちらを確認して頂けると制作過程が分かりやすいと思います。
イラストメイキングスタート

使用ソフトは【CLIP STUDIO PAINT PRO 】です。
クリスタで描いた線画をコピー機でコピー用紙に印刷し、それをトレース台を使用して紙に複写しました。
今回選んだ紙は【ヴィフアール水彩紙】のはがきサイズです。
コピックで絵を描く時はだいたいいつもヴィフアール水彩紙を使用しています。
今回ははがきサイズ(中目)を使用しましたが、普段は上記の【ヴィフアール水彩紙 スケッチパッド 細目】を使用しています。

線画に使用したペンは【コピックマルチライナー】のコバルト色です。
トレース台はAmazonで購入した【Etpark トレース台 LED A4サイズ】と言う薄型のLEDトレース台を使用しました。
以下の関連記事にこのトレース台について詳しくレビューをしています。よかったら参考にしてみてください。
PCで塗りラフする

塗りラフを作っておくことで、本番、色選びに失敗するリスクを減らすことができます。
まずPCで様々な色を試してみたり、ハイライトの入れ方もここで大方決めてしまいます。
上記の画像は塗りラフなのですが、何だか塗っていて楽しくなってしまって、結局デジタルでイラストを完成させてしまいました。
完成したデジタル版イラストはTwitterに上げているので、興味があれば見に来てください。
去年の11月に描いた線画をようやく今月塗りました。 pic.twitter.com/oqOrUZIbPz
— くうこ (@kuko_6) February 11, 2019
肌の色はたったの3色

今回は背景が夕暮れ時の設定で、またちょっと女の子の頬が赤くなっている雰囲気を出したかったのでピンク系の肌色にしました。
鼻の横にハイライトを少し残しつつ【R000】で肌全体をベタ塗りします。
次に【R00】で影1を入れます。
影1は前髪の周り、鼻の横、耳の中、指の間などに入れます。
影2は【R20】で本当に影ができる所を意識しながら、ちょこっとだけ入れます。
今回使用したコピックマルチライナーのコバルト色は、コピックに滲みませんが、線画の上をニブでこすると高確率で線がかすれます。
実は今回のイラストも注意してはいたのですが、3か所ほどかすれしまいました。
以前は同シリーズのセピア色を使用していたのですが、かすれは滅多に起きなかったです。コバルトは他の色に比べてかすれやすいみたのなので注意してください。
背景の下塗りは透明水彩

薄い色ならコピックでも良いのですが、広範囲を塗るのに時間がかかる、ほとんど消えてしまうからインクがもったいない、との理由から透明水彩で下塗りすることにしました。

キレイにグラデーションさせてもいいのですが、わたしはグラデーションが苦手なので、マーカーぽい描き味を活かした塗り方にしました。
これを味と取るか、ムラと取るかは人によって違うと思いますが、わたしはザクザク塗るのが好きでデジタルイラストでもよくやっているの技なので【味】として見ています。

わたしはデジタルだと背景をボカすのが好きなのですが、いつかコピックでも背景のボケを演出できるように、これから色々と試してみたいです。
髪の塗り方と葛藤していた

何が苦手ってハイライトを塗り残さなければいけない所です。
で、1番思い悩んでいたのが天使の輪です。
理想ではコピックだけで天使の輪を表現したいのが本音です。
好きなコピック絵師様のように、塗り残してハイライトを表現したい。
なので何カ月にも渡り天使の輪をキレイに塗り残す練習をしたのですが、どうもこの『塗り残す』と言う引き算の感性がわたしには備わってないようでうまくできないんです。
『わたしにはコピックが向いてないのかなぁ…デジタルなら後からハイライト入れられるから楽なんだけどなぁ…』
と、そんなことを考えていたら閃いた。
『そうだ!ならアクリルガッシュでハイライトを後から入れればいいんだ!』
今までコピックのイラストはなるべく全部コピックだけで塗りたいと思っていたわたし。
けれどそんなこだわりなど捨てて、もっと自由に色々な画材と組み合わせてイラストを描けばいいのではと思うようになりました。
コピックと色鉛筆を組み合わせて描いている漫画家さんもいます。
コピックと透明水彩で描いている絵師さんもいます。
そしてコピックとアクリル絵の具で描いている絵師さんももちろん存在するわけで、わたしもコピックだけではなく、色々な画材をMIXしてイラストを制作したいと思うようになりました。
髪や目のハイライトにアクリルガッシュを使ってみた

このアイスグリーンは【SSイラストメイキングブック アナログ画材MIX vol.01】というメイキング本で『すもも』さんが使っていらっしゃって、この色がとても綺麗でずっと前から欲しかったんです。
すももさんは現在創作活動を止めてしまわれましたが、すももさんのメイキングを参考にいつかわたしもアクリルガッシュでイラスト描いてみたいです。

瞳には3色使う事でキラキラ感を演出できたように思えます。
アクリルガッシュを使うと水や筆を用意しなければいけないのでちょっと手間ではあるのですが、それでも自分らしいイラストが描けるようになって嬉しいです。
コピックでハイライトの入れ方に本当に悩んでいて、上手くいかずコピックを止めようとも思ったのですが、アクリルガッシュで光りを表現することに決めたらアナログで絵を描くのがもっと楽しくなりました。
色鉛筆で頬に赤味を足す

こう言う細かい描写はコピックでは不可能なので、色鉛筆などがとても便利です。
マフラーの赤い線も色鉛筆で描いています。
色々な画材をMIXして描くと、本当に表現の幅が広がるのでおすすめです。
制服の塗り方などは先ほど紹介した動画を確認していただけると分かりやすいと思います^^
これ以上画像を貼るとブログが重たくなってしまうので、これでメイキングを終わりたいと思います。
詳しい制作工程は動画のメイキングを確認して頂けたら幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。